鳩山町長の基本給はいくらか？埼玉県鳩山町の町長報酬全内訳と歴代町長の給与推移

はじめに：鳩山町長の報酬は公開されているか？

埼玉県比企郡鳩山町では、町長の報酬額（年収）が町の公的資料に基づき一般に公開されています。本記事では、現職町長および歴代町長の報酬について、基本給・賞与・手当の各内訳を明示し、報酬全体の構成を詳しく解説します。また、報酬額の推移や改定履歴についても触れ、根拠となる条例や議会資料から裏付けを示します。鳩山町は2023年に全国最年少28歳の若手町長が誕生したことでも注目されましたが、その 町長報酬はどのように決まり、どの程度の水準なのでしょうか。

鳩山町長の基本給（月額給与）

毎月の基本給は703,000円

鳩山町長の基本給（月額）は703,000円です。この金額は町の「特別職報酬等に関する条例」によって定められており、町役場が公開する最新の「給与・定員管理等について」の資料にも明記されています。例えば令和5年度版の同資料では、「町長　703,000円」と記載されています（※括弧内には類似団体における町長月額の最高額855,000円・最低額550,000円も参考表示） 。月額703,000円は毎月固定で支給され、年間に換算すると703,000円 × 12か月 = 8,436,000円となります。この8,436,000円が町長報酬の基本給部分の年額です。

全国平均と比較した水準

鳩山町長の月額基本給703,000円は、全国の町村長平均（月約795,000円）と比べると約9万円ほど低い水準です。人口規模や財政規模を踏まえた適正な額と考えられ、近隣の都市部や規模の大きい自治体と比べても極端に高額というわけではありません。実際、同程度の自治体と比較しても平均的な水準であり、鳩山町長の基本給が突出して高いわけではないと評価されています。

例えば近隣の比企郡内の町長と比べると、吉見町長は月額692,000円（年収約1,128万円）, 嵐山町長は月額678,000円（年収約1,115万円）となっており、鳩山町長の703,000円はこれらよりわずかに高いものの同水準の範囲です。この比較から見ても、鳩山町の町長給与は地域の標準的な額であり、財政に過度な負担を与える高額報酬ではないと言えるでしょう。

鳩山町長の賞与（期末・勤勉手当）

年間支給月数は約4.4～4.5か月分

町長には国家公務員にならい年2回の賞与（ボーナス）が支給されます。鳩山町では直近数年間、町長への年間賞与支給月数は約4.4〜4.5か月分となっています。内訳は「期末手当」約2.40月分＋「勤勉手当」約2.00〜2.10月分で、これらを合計した支給割合が毎年4ヶ月強（4.4～4.5）となります。

実際の金額に試算すると、703,000円 × 約4.5か月 = 約3,163,500円が年間賞与額の目安です。令和3年度（2021年度）には町長賞与として約316万円が支給されており、最新の公表資料でも大きな変動はないことが確認されています。賞与は概ね年2回（夏季・冬季）に分けて支給され、在職期間に応じた期末手当と勤務成績に応じた勤勉手当で構成されています。

賞与支給月数の算定根拠

鳩山町の賞与支給月数は、毎年の人事院勧告に基づく国家公務員の期末・勤勉手当支給月数に準じて設定されています。例えば、人事院が「当年度は国家公務員の賞与を0.05月分減額」と勧告した場合、鳩山町においても町長および職員の賞与月数が同様に0.05月分引き下げられるといった調整が行われます。このように、賞与は国の基準に連動しており、景気や国家公務員給与改定の影響を受けて微調整される仕組みです。

年収総額：町長報酬はいくらになるか？

基本給＋賞与の合計額

上記の基本給年額と賞与額を合算すると、鳩山町長の年収総額（ボーナス込み、退職手当除く）は約1,160万円となります。内訳をもう一度整理すると:

基本給年額: 703,000円 × 12か月 = 8,436,000円

賞与年額: 703,000円 × 約4.5か月 = 約3,163,500円

この2つの合計が約11,599,500円（約1,160万円）となり、現職町長が1年間に受け取る総報酬額となります。この金額はあくまで現役在任中に支給される給与と賞与の合計であり、退職時の手当（退職金）は含んでいません。

各種手当の支給状況

一般職員であれば支給される通勤手当・地域手当・住居手当等の諸手当について、特別職である町長には基本的に支給されません。例えば鳩山町の一般職員には地域手当として給与の6%相当が支給される地域区分に該当しますが、町長報酬の場合は地域手当分も考慮した上で月額が定められているため、別途の加算は行われていません。同様に、通勤手当や住居手当なども特に設けられておらず、町長報酬の基本給703,000円が諸手当を含めた包括的な月額報酬という位置づけになっています。したがって、毎月の支給額は基本給そのままの703,000円であり、賞与を除けば追加の手当類はないと言えます。

退職時に支給される退職手当（退職金）

1期4年在任で約1,358万円の退職手当

町長が任期を全うして退任する際には、在職期間に応じた退職手当（退職金）が別途支給されます。鳩山町における退職手当の算定式は、条例で「月額給 × 在職月数 × 35/100 × 115/100」と定められています。この式に基づき、仮に1期（4年＝48か月）在任した場合を試算すると:

703,000円 × 48か月 × 0.35 × 1.15 ≒ 13,581,960円

となり、約1,358万円の退職手当が支給される計算です。これは町長在任中の年収とは別枠で支給されるものですが、生涯賃金の一部として評価されるべき重要な要素です。仮に複数期にわたり在任した場合は、在職月数に応じて退職手当額も比例して増加します（条例の規定上、在職した月数すべてに対し上記算定式を適用）。なお退職手当の支給タイミングについては「任期ごとまたは退任時」とされており、一般に退任時にまとめて支給されます。例えば前町長の小峰孝雄氏（2008年～2023年在任、4期）には、退任時に在職通算約15年間（180か月）に相当する退職手当が支給されたものと推測されます（概算：約703,000円×180ヶ月×0.35×1.15 ≒ 50数百万円）。このように、退職手当は在職期間が長くなるほど高額となりますが、条例により明確な算定根拠が定められているため、公的に妥当性が担保されています。

歴代町長の報酬推移と改定履歴

過去数年間の報酬額の推移

近年の鳩山町長報酬は、月額703,000円という基本給が一貫して維持されており、大きな増減はありません。例えば平成29年度（2017年度）以降のデータを見ると、基本給は毎年703,000円で据え置かれていることがわかります。一方で賞与（期末・勤勉手当）の支給月数には若干の変動があり、平成29年度～令和元年度は年間4.5か月分だったものが、令和2・3年度は4.45か月分、令和4年度は4.40か月分と僅かながら減少傾向にあります。この違いにより、年収換算では約1,200万円（平成29年度）から約1,150万円（令和4年度）へと数十万円規模で推移しています。もっとも、この変動は前述のとおり人事院勧告に伴う賞与月数の調整によるもので、基本給そのものは過去数年ほぼ不変です。

歴代町長ごとの主な報酬トピックス

小峰孝雄町長（在任2008年～2023年）: 鳩山町の前町長。4期16年務め、報酬額は全期間を通じ概ね月額703,000円を維持しました。在任中の2018年度に財政健全化策として月額給与の減額措置（臨時条例）を実施しましたが、恒久的な報酬カットや増額は行われていません。4期の長期在職により、退任時には前述のとおり約5,000万円超の退職手当が支給されたと推定されます。

それ以前の歴代町長: 鳩山町は昭和30年代に町制施行されて以降、数名の町長が在任しましたが、近年以前の町長報酬額の具体的記録は公開資料が乏しいため詳細は不明です。ただし、平成以降の歴代町長も含め、報酬の算定方式自体は現在と同じ条例に基づいており、基本給＋賞与という構成や退職手当制度は一貫しています。そのため、物価や国家公務員給与の動向に応じた多少の増減はあったものの、歴代町長も概ね現在と同様の枠組み（年収ベースで1,100万～1,200万円程度＋退職手当）で報酬を受け取っていたものと考えられます。

町長報酬の決定プロセスと今後の見通し

鳩山町長の報酬は前述のように条例で定められており、増減には議会の承認（条例改正）が必要です。町長本人の判断で勝手に引き上げたり、大幅カットしたりすることは制度上できません。報酬額の妥当性については、町の財政状況や他自治体との均衡、そして町民感情など様々な観点から議会でチェックされています。住民の税金で賄われる公費である以上、報酬額の透明性と説明責任が常に求められており、鳩山町でも毎年度の給与公表や議会での審議を通じて情報公開がなされています。

2023年に就任した小川知也町長（28歳）は、財政再建や行政改革にも意欲を見せています。現時点で町長報酬の見直しは行われていませんが、今後自主的な報酬カットや成果連動型の報酬制度導入などが提案される可能性も指摘されています。もっとも、報酬の増減は前述のとおり議会承認事項であり、町民世論の支持や財政的合理性が不可欠です。住民による監視と適切な議論を経て、町長報酬の水準は将来にわたって検証・見直しが続けられていくでしょう。いずれにせよ、鳩山町において町長報酬は周辺自治体と比べても標準的であり、現在のところ大きな批判や問題視はされていません。しかし時代の変化や町長の姿勢によっては、報酬制度にも改革のメスが入る可能性があるため、引き続き町民への丁寧な情報公開と説明が求められるといえます。

おわりに：鳩山町長の報酬全体像のまとめ

鳩山町長の報酬は基本給703,000円（月額）をベースに、年間約4.4～4.5か月分の賞与が支給され、年収ベースではおよそ1,160万円前後となっています。この水準は全国的にも同規模自治体の平均的な範囲内であり、鳩山町の財政に照らしても過度な負担とはなっていません。加えて、町長には通勤手当や地域手当等の追加的な手当は支給されず、報酬体系はシンプルかつ透明性の高い構成です。任期満了時には在職期間に応じた退職手当（退職金）が支給され、1期4年で約1,358万円という算定結果になっています。

過去の町長も含め、鳩山町では条例に基づく適正な報酬管理が行われており、報酬改定は必要に応じ議会の議決を経て実施されてきました。平成30年度には財政状況を受けて町長給与の一時減額が行われた例もありましたが、概ね安定した水準が維持されています。町長の交代や社会情勢の変化によって報酬が見直される可能性はあるものの、その際も議会審議や住民への情報公開が伴います。鳩山町長の報酬は、構成内訳が明確に定められた上で公開されており、標準的かつ健全な水準で推移していると言えるでしょう。今後も町民に開かれた形で報酬の妥当性が検証され、町政への信頼確保に資する運用が期待されます。